HH020

 

グループ法人税制では・・
グループ内の寄付金は、寄付を行った法人は「全額損金不算入」となり、受領した法人は「全額益金不算入」となります。
しかし、寄附を行った法人の株主は、寄附金相当額のうち「持分割合に相当する金額」につき「利益積立金額」を調整(株式簿価修正)する必要があります
(法令9①七、119の3⑥)。

 

前回まで、100%子会社間親⇒子への寄付金について取り扱いました。今回は、子⇒親への「寄付金」の申告書の記載方法をまとめます。

 


1.例題

「ビズ社」は、「100%親会社クレア社」に対する貸付金100の債権放棄を行い、当該債権放棄は、「寄付金」認定された。
なお、ビズ社の当期利益は1,000とします。

 

キャプチャ5-1

 


2.子会社(寄付を行う側・ビズ社)


(1)仕訳

借方 貸方
会計 債権免除損 100 貸付金 100
税務 支払配当(※1)
(利益積立金)
126 貸付金
預り金(源泉)
100
26
申告調整 支払配当(※1) 126 債権免除損(※2)
預り金(源泉)
100
26

(※1)会計上は「債権免除損」を計上しますが、税務上、100%子会社から親会社への寄附は「配当」とみなされます。(法基通1-5-4)。
このため、寄付金処理ではなく、「配当支払」の仕訳となりますので、源泉所得税が発生します。

(※2)会計上の「債権免除損」を加算します(留保)

 


(2)別表の記載

①別表4の記載

(所得の金額の計算に関する明細書)

区分 総額 処分
留保 社外流出
当期利益(※1) 1.000 874 配 126
加算 ・・ ・・ ・・
債権免除損否認(※2) 100 100
減算 ・・ ・・ ・・ ・・
・・ ・・ ・・ ・・

(※1)配当を支払った場合の申告書の記載となります。(申告調整仕訳 借方)

(※2)会計上の「債権免除損」を加算します(留保)(申告調整仕訳 貸方)

 

②別表5の記載

(利益積立金の計算に関する明細書)

区分 期首 当期中の増減 差引
利益準備金
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
債権免除損否認(※3) 100 100
繰越損益金(※4) △126 △126

(※3)別表4(※2)に対応(申告調整仕訳 貸方)

(※4)これは、申告調整ではなく、元々計上済の「会計上の繰越利益」を表示しています(申告調整と区別するため斜体で表示)。

 

(資本金等の額の明細書)

特に記載ありません。

 


3.(親会社(寄付を受ける方&寄付した子会社の株主・クレア社)

クレア社は、寄付を受けた立場だけではなく、寄付した子会社の「株主」の立場でもあります。
しかし、結果的にこのケースでは、「寄付金」ではなく「配当」と扱われますので、寄付金の「税務簿価修正」は行いません。


(1)仕訳

借方 貸方
会計 借入金 100 債務免除益 100
税務 借入金
仮払源泉税
100
26
受取配当金(※1) 126
申告調整 債務免除益(※2)
仮払源泉税
100
26
受取配当金(※1) 126

(※1)会計上は「債務免除益」を計上しますが、税務上、100%子会社から親会社への寄附は「配当」とみなされます
(法基通1-5-4)。このため、寄付金処理ではなく、「配当受取」の仕訳となりますので「源泉所得税」が発生します。

(※2)会計上の「債務免除益」を減算します(留保)

 


(2)別表の記載

 

①別表4の記載

(所得の金額の計算に関する明細書)

区分 総額 処分
留保 社外流出
当期利益
加算 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
受取配当計上漏れ(※1) 126 126
減算 受取配当の益金不算入(※3) 126 126
債務免除益(※2) 100 100

(※1)税務上、「受取配当金」を計上します(申告調整仕訳 貸方)

(※2)会計上の「債務免除益」を取消します(申告調整仕訳 借方)

(※3)受取配当の益金不算入額として減算(社外流出)

②別表5の記載

(利益積立金の計算に関する明細書)

区分 期首 当期中の増減 差引
利益準備金
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
受取配当(※4) 100 126 26
繰越損益金(※5)     100 100

(※4)別表4の(※1)(※2)に対応
(※5)これは、申告調整ではなく、元々計上済の「会計上の繰越利益」を表示しています。(申告調整と区別するため斜体で表示)。
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