以前お話ししましたが、グループ内での適格合併等の場合、一定の場合は被合併法人等の繰越欠損金の引継ぎができません。
また、グループ内での適格組織再編成等(※)の場合、一定の金額の欠損金額はないものとされ、繰越控除ができません。

今回は、その引継ぎができない「繰越欠損金」や「繰越控除ができない欠損金」の金額のお話です(みなし共同事業要件をみたさない場合です)。

DB009


1.制度の概要

支配関係発生後5年内のグループ内での適格合併等(※1)の場合、
被合併法人の「特定資産の譲渡等損失」に相当する部分は、繰越欠損金の引継ぎができません。

また、支配関係発生後5 年内の適格組織再編成(※2)の場合、
一定の期間内」に行った「特定資産の譲渡にかかる譲渡損失」は、損金の額に算入されません。

「特定資産の譲渡等損失」と呼ばれています。ちょっとマニアックな話ですが!

なぜ、こんな規定を置いているかというと、
「繰越欠損金」は損失が実現しているのでわかりやすいのですが、
「含み損が生じている資産」は、まだ損失が実現していません。

例えば、こういった資産を簿価で合併会社等に移転後、売却すれば、簡単に「租税回避」できるからですね。

(※1)適格合併等

適格合併や、内国法人との間に完全支配関係がある子会社が解散した場合

(※2)適格組織再編成

適格合併、非適格合併でグループ法人税制の適用があるもの、適格分割、適格現物出資、適格現物分配


2.「特定資産」とは?

種類

次の二つとなります。

特定引継資産 適格組織再編成等で移転を受けた資産で、支配関係発生日前から(被合併会社等で)保有する資産(※)
特定保有資産 (合併会社等で)元々支配関係発生日前から有していた資産(※)

(※)平成25 年改正により、被合併会社等が、一定の組織再編成により受け入れた資産も、支配発生日前から保有する資産とみなされます。

上記から除かれる資産

ただし、以下の資産は除かれます。

  • 棚卸資産(土地等を除く)
  • 短期売買商品
  • 売買目的有価証券
  • 帳簿価額または取得価額が1千万に満たない資産
  • 支配関係発生日に、時価が簿価を下回っていない資産(申告書に明細添付)
  • 非適格合併により移転を受けた資産で、譲渡損益調整資産以外のもの


3.一定の期間とは?

下記のうち、どちらか早い方です。

適格組織再編成等が行われた事業年度開始日」から3年を経過する日
支配関係発生日」から5年を経過する日


4.特定資産の譲渡等損失額の特例計算

支配関係事業年度の前事業年度終了時における時価・簿価等との比較により計算できる特例があります。

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