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1.ブレークイーブンポイントって?

ブレークイーブンポイントっていうのは、日本語では損益分岐点と呼ばれます。

簡単に言うと、かかった費用をすべて回収するために必要な売上や販売数量のことを指します。

この損益分岐点を算定するためには、費用を、変動費(売上に変動して発生する費用)、固定費(売上に関係なく発生する費用)に区分する必要があります。


2.事例

(例)

  • 売上・・・・・・100円/個×150,000個=15,000千円
  • 仕入・・・・・・60円/個×150,000個=9,000千円(変動費)
  • 人件費等・・・・年間で4,000千円(固定費)
  • 差引最終利益・・2,000千円(15,000千円-9,000千円-4,000千円)


(1)限界利益って何?

「売上」から「費用」を差し引いたものが「利益」ですね。
15,000千円(売上)-9,000千円(仕入)-人件費等(4,000千円)=最終利益は2,000千円となります。

このうち、「費用」に着目すると、売上に変動的に発生するもの(変動費)と、固定的に発生するもの(固定費)に区分することができます。

上記例では

  • 「仕入」は売上に変動して増加 ⇒ 「変動費」となります。
  • 「人件費等」は、売上に関わらず一定額発生 ⇒ 「固定費」となります。

 

(ここまでのまとめ)
売上 ー 費用 = 最終利益
売上 ー 変動費 ー 固定費 = 最終利益

 

「売上」から「変動費」のみを差し引いた利益(固定費差引前)は、「限界利益」と呼ばれます。

15,000千円(売上)-9,000千円(仕入・変動費)=6,000千円が「限界利益」となります。

ブレークイーブン

「限界利益」は、売上が増えれば、それに「比例して」確実に増えていきますね?
なぜなら、変動費は売上に比例して増えるからですね。「比例して」というのがポイントです。

売上に対する「限界利益」の割合((6,000千円÷15,000千円)=40%)は、限界利益率と呼ばれます。

上記例では「限界利益率」が40%ですので・・・
売上が増えると、売上増加分×40%だけ、限界利益がどんどん増えていくのがわかりますか?

そして、限界利益から、固定費である人件費を差し引いて、「最終利益」が算定されます。
限界利益6,000千円‐人件費4,000千円(固定費)=2,000千円が最終利益となります。

(ここまでのまとめ)
売上 ー 変動費 = 限界利益
限界利益 ー 固定費 = 最終利益

 


(2)限界利益は「固定費」を回収するための原資

「限界利益」がいくらプラスでも、ビジネスを行う以上、必ず固定費がかかります。
つまり、限界利益から固定費を差し引いた「最終利益」が計上されないと、ビジネスとしては破たんしています

つまり、固定費を回収できる「限界利益」を生み出さなければ、最終利益は絶対プラスになりません。
逆に言うと、いくら限界利益が計上されていても、固定費を差し引いてマイナスであれば、ビジネスとして破たんしています。

では、最低限、最終利益をプラスにするには、「限界利益」はいくらあれば足りるでしょうか?
言い換えると、どれくらいの「限界利益」があれば、固定費を回収しても最終利益がプラスになるでしょうか?・・・

上記の式をみればわかりますね。
最終利益を確保するには、最低限、固定費と同額の「限界利益」を確保(4,000円)しなければいけませんね。

つまり、「固定費」と同額の限界利益を稼げたら、ようやく最終利益が±0となり、ビジネスとして成り立ちうるということです。


(3)ブレークイーブンポイントは?(損益分岐点売上)

ブレークイーブンポイント(=損益分岐点売上)というのは、固定費を差し引いた最終利益がゼロとなる売上高のことです。

では、上記例題の「ブレークイーブンポイント」を算定します。

4,000千円の限界利益をだせば、固定費を差し引いてもゼロでした!
では、限界利益4,000千円を稼ぐための売上は・・?
限界利益率が40%ですので・・

4,000千円(固定費) ÷ 40%(限界利益率) = 10,000千円

→つまり、売上を10,000千円あげると、ようやく、固定費をさしひいたあとの最終利益が±ゼロとなります。
この売上10,000千円が「ブレークイーブンポイント」(=損益分岐点)と呼ばれます。


(4)3つの売上パターン

上記の例を前提に、売上パターンを3つ用意しました。

  • パターン1・・損益分岐点と同じ売上(10,000千円)
  • パターン2・・損益分岐点に満たない売上(9,000千円)
  • パターン3・・損益分岐点を超える売上(11,000千円)
  • 固定費4,000千円は、売上に関係なく固定額ですので、パターン1~3とも4,000千円となります。

 

パターン1
(損益分岐点売上)
パターン2(損益分岐点に満たない売上) パターン3(損益分岐点を超える売上)
売上高 10,000 9,000 11,000
変動費(60%) 6,000 5,400 6,600
限界利益(40%) 4,000 3,600 4,400
固定費(人件費・家賃等) 4,000 4,000 4,000
最終利益 0 △400 400
  • パターン2は、売上が損益分岐点売上を下回っていますので、最終利益は赤字になっています。
  • パターン3は、売上が損益分岐点売上を上回っていますので、最終利益は黒字になっています。
    ⇒ つまり、それぞれの売上が、損益分岐点売上(10,000千円)を1円でも上回ったり下回ったりすれば、最終利益はプラスやマイナスになるということがわかりますね


 3.ポイント

上記の例をまとめると・・

  • 損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 限界利益率(※)

  • (※)限界利益率 = 1 - 変動費率で算定できます

 

  • ビジネスを行うにあたっては、仕入だけでなく、人件費や家賃等の固定費が必ず生じます。
    したがって、売上から仕入等を差し引いた限界利益がいくらプラスであっても、必ずしも(固定費を差し引いた)営業利益がプラスになるとは限りません。
  • 損益分岐点を基準に、利益、損失が生じるという意識を持ち、自社の損益分岐点を分析することが大切となります。
    損益分岐点を計算するに当たっては、経費を毎月固定的に発生する「固定費」と、売上額の増減に比例して発生する「変動費」に分けることが必要となります。

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