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最近は、外国の方が、短期的に日本に来て、お仕事をされるケースも比較的多いですね。
今回は、こういった外国人が日本に来てお仕事された場合の「個人所得税」のお話です。
 

1. 原則

海外から日本に来られた外国人が、たとえ「非居住者」に該当したとしても、当該非居住者にかかる「国内源泉所得」には日本の所得税がかかります
(所得税法161条八、164条2項、169条、212条等)。

簡単にいうと、「国内」でお仕事した収入に対しては、外人さんでも所得税が課せられるってことです。
具体的には、給料支払時に20.42%の源泉徴収が行われます。

ただし、例外的に、「短期滞在者の免税特例」(183日)というのがあって、所得税を課せられない場合があります。
 

2. 短期滞在者の免税特例って?

日本と「租税条約」を締結している国の「海外居住者」(=日本の非居住者)が、日本で短期間勤務を行う場合、日本での課税が免除される場合があります。
「短期滞在者の免税特例」といいます。

この特例を受けるための要件は「租税条約」によって若干異なりますが、概ね以下の要件となります。条約によって183日でない国もありますので注意しましょう!

 

要件 摘要
滞在期間が183日を超えない その課税年度において開始または終了する12カ月の期間を通じて、合計183日を越えない期間の滞在であること。
報酬を支払う雇用者が、日本の居住者でない 報酬が、他方の国の居住者でない雇用者(またはこれに代わる者)から支払われるものであること
簡単に言うと、海外で給料を支給する場合はOKということ)
給与報酬等が、日本国法人の負担でない 報酬が他方の国に存在する恒久的施設(PE)によって負担されるものでないこと
簡単に言うと、海外が給料を負担する場合はOKということ)

 

(イメージ図)

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上記要件を満たせば、日本国内は免税になります(=海外でまとめて課税されるということ)。
実務的には、外国人が日本国内で勤務する場合、この要件を満たすように「海外で給料を負担・支払う」ことが多いですね。
 

3. 事前届出

租税条約の適用を受けるための届け出は、原則として必要ありません。
(租税条約に「特典制限条項」がある場合に限り、一定の届け出が必要とされています)
(実特法省令9の2①⑦)。
 
「特典制限条項」は、従来からの先進国(米・英・仏など)では結ばれているケースがありますが、アジアの各国などはないケースが大半です。
 


4. 実務的には?

「183日滞在しているかどうか?」の論点は、いろんなケースがあり、実務上判定が難しいところがあります。
後からトラブルがないように、183日以内の滞在である点、本人から確認書などをもらっておく対応をされている会社が多いですね。

 

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