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「アライアンス」という言葉・・なんかよく聞くけど・・難しそうな感じですよね(笑)

ビジネス上、「アライアンス」の意味は、「他の企業と提携し、協力体制を構築する」という意味で使われる場合が多いです。
日本語では、「業務提携」とも呼ばれます。


1.アライアンスの目的

アライアンスをする目的は、「それぞれのメリットを活かして経済的な相乗効果をもたらす」ことですね。
例えば、以下の記事。
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トヨタとスズキが「提携関係」を構築するという記事です。
どちらも「自動車メーカー」なんですが、環境や安全などの面で協力し、「自動運転車の開発」分野で、提携を行うということのようです。

特にグローバル企業は、世界中の企業と競争しなければいけません。
こういった環境では、他のグローバル企業に対抗しうる製品を開発しなければ、すぐに競争に負けてしまいます。

そこで、たとえ同業他社であっても「業務提携」を行うことで、「お互いの得意分野」を活かした技術開発を進めます。
これにより、「競争力の高い製品」の開発が可能となり、それぞれの企業に、経済的な相乗効果が生まれることになります。
また、コストの点でも、複数企業で開発を行う方が「経営資源を有効に活用」することができ、価格競争力の強い製品の開発が可能となります。


2.アライアンスの種類

アライアンスの分野は、「生産・販売面」あるいは、「技術・物流面」での協力関係など、さまざまな分野での「提携関係」があります。
アライアンスの種類という点では、大きく、以下の二つに分かれます
資本関係まで踏み込んだ提携かどうか?という点で区分されます。

(1)事業提携

一般的に事業提携というと、「資本関係」まで踏み込まない提携関係を指すことが多いです。
生産提携・販売提携、技術提携など、特定の業務に限定して協力を行います。

(2)資本提携

事業面での協力関係だけでなく、お互い出資関係にあるものは「資本提携」と呼ばれます。
資本提携は、出資関係があることから、単純な業務提携よりも「強い協力関係」を作ることが可能です。

3.M&Aとの比較

M&Aは、合併や買収、つまり、複数の企業が一つの企業(あるいはグループ)になることを指します。
一方、アライアンスは、それぞれの企業は独立したまま、業務的な協力体制を構築することを指します。
(広い意味では、アライアンスも含めて「M&A」と呼ばれることもあります)

また、M&Aとアライアンスの中間に位置づけられるものとして、「合弁会社」というのもあります。

それぞれのメリットデメリットを比較します。表裏一体な感じですね。

アライアンス M&A
メリット
  • 各社の独立性を保ちながら協力できる(解消も容易)
  • 開発・販売リスクが分散できる。
  • 利益はまるまる自社が独占
  • 解消は容易ではないため、技術やノウハウが流するする恐れは少ない。
デメリット
  • 提携解消時には、技術やノウハウが流出するおそれ
  • 利益は1社独占ではなく、シェアされる。
  • 文化の摩擦が起きる可能性
  • 合併後の開発・販売リスクは分散されない

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