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個人所有の不動産を売却して利益が生じる場合、所得税上、様々な特典があります。
今回は、これらの各種特典をダブルで適用できるのか?
そして、住宅ローン控除等との併用関係についてまとめます。



 

1. 不動産売却益に関する税法上の特例

不動産を売却して利益が生じる場合に、利用できる特例は、以下の通りです。



 

(1) マイホーム売却時の3,000万円の特別控除の特例

個人が、居住用財産(マイホーム)を売却した場合は、その譲渡所得(売却益)の金額から、最大3,000万円まで控除できる特例です。



 

(2) マイホーム売却時の買換え特例

個人が、マイホームを売却&買い換えた場合は、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例です。



 

(3) 所有期間10年超の軽減税率の特例

個人が、土地建物どちらの所有期間も10年超(売却年の1月1日時点)のマイホームを売却する場合は、以下の軽減税率が適用される特例です。

譲渡益6,000万円以下の部分 軽減税率14.21% (所得税10.21%、住民税4%)
譲渡益6,000万円超の部分 軽減税率20.315% (所得税15.315%、住民税5%)

なお、一般的な居住用不動産売却時の税率は以下です。

所有期間5年以下(短期) 所得税30.63%、住民税9%
所有期間5年超(長期) 所得税15.315%、住民税5%



 

(4) 空き家売却時の3,000万円の特別控除の特例

居住用ではありませんが、相続または遺贈により取得した、被相続人の空き家家屋等を売却した場合は、譲渡所得(売却益)の金額から、最大3,000万円まで控除できる特例です。



 

2. それぞれの特例の併用は?

上記の特例は、それぞれダブルで適用できるのでしょうか?
また、住宅ローン控除との関係はどうでしょうか?

実は・・併用できるものと併用できないものがありますので、適用関係には十分注意しましょう。

特に、空き家特例以外は、原則として「住宅ローン控除」 との併用ができません。
譲渡所得が少額の場合は、住宅ローン控除を適用したほうがお得なケースも多いですので、どの特例を適用するか?は、慎重に検討しましょう。

まとめると以下の通り。

特例 併用可 併用不可
3,000万特別控除
  • 10年超軽減税率
  • 空き家特例
  • (合わせて3,000万が上限)

  • 買い換え特例
  • 住宅ローン控除
    (一定の年数につき)
買い換え特例
  • 3,000万特別控除
  • 10年超軽減税率
  • 住宅ローン控除
    (一定の年数につき)
  • 空き家特例
所有期間10年超
軽減税率の特例
  • 3,000万特別控除
  • 買い換え特例
  • 住宅ローン控除
  • 空き家特例
空き家特例
  • 3000万特別控除
  • (合わせて3,000万が上限)

  • 住宅ローン控除
  • (空き家と別に自宅がある場合)

  • 買い替え特例
  • 相続財産譲渡時の取得費加算の特例
  • 10年超軽減税率
住宅ローン控除
  • 空き家特例
  • (空き家と別に自宅がある場合)

  • 3,000万特別控除
    (一定の年数につき)
  • 買い換え特例
    (一定の年数につき)
  • 10年超軽減税率

 
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