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1.倒産防止共済って何?

取引先が倒産した場合に備えて、あらかじめ積み立てておく中小企業や個人事業主向けの共済制度です。
将来、掛金に応じた「共済金」を受け取ることができます。
「倒産防止共済」は、得意先等の倒産により資金繰りが悪化した場合、掛金の「最大10倍の資金借入」が可能となっています。


2.メリット


(1)貸付を受けられる

 得意先の倒産等で資金繰りが悪化した場合、払込掛金の最大10倍までの資金調達が可能です。
(実際損害額が上限)。
こういう状況では、通常銀行からの借入は困難なので、メリットが大きいですね。

 取引先が倒産していなくても、運転資金の貸付(一時貸付金)が可能(最大で納付掛金の95%相当額)。


(2)節税として利用できる

倒産防止共済は、小規模企業共済と同様、節税商品としてよく利用されます。特徴は以下の通り

  • 掛金は「全額損金」あるいは「必要経費」になるため、利益が圧縮できる。
  •  将来の返戻金には税金がかかりますが、40ヶ月以上掛け金を納付していれば、掛け金は全額戻ってくる。

ただし、節税に関しては、「小規模企業共済」ほどメリットはありません。
なぜなら、返戻時には、益金(or事業所得)となって普通に税金がかかるからです。

3.デメリット


(1)返戻金が掛け金を下回る場合あり

「任意解約」は可能だが、納付期間40カ月以下だと、返戻金が掛金合計額を下回ります。(12カ月未満だと0%)


(2)貸付金には実質利息あり

貸付は「無利息」と記載されていますが、貸付額の1/10の額が払込掛金から控除されますので、実質は「利率10%」ということですね。

(3)解約返戻金に課税される

解約返戻金を受け取ったら全額が利益で課税される。
⇒つまり、掛けるときは節税になるが、「解約返戻時」には税金がかかる(単なる税金の繰延ということ)。


4.解約時の返戻金

任意解約は可能です。返戻金は、40カ月以上だと元本保証、12か月以上でも少なくとも75%以上は返戻されます。
(12か月未満だと0%)
ですので、「小規模企業共済」よりは解約に関するハードルは低いです。

5.加入要件

  • 1年未満の新設法人は加入できない
    (個人事業からの法人成りなら、通算1年以上で加入できる)
  • 解約しても1年経過すれば、再加入できる

 

(会社または個人事業者)~資本金要件と常時使用従業員要件は、どちらか満たせばOK~

業種 資本金要件 常時使用従業員要件
製造業、建設業、運輸業その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万以下 100人以下
小売業 5000万以下 50人以下
ゴム製品製造業
(一部業種を除く)
3億以下 900人以下
ソフトウェア業or情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5000万以下 50人以下

(組合)
企業組合、協業組合、共同生産、共同販売等の共同事業を行っている事業協同組合、事業協同小組合、商工組合

なお、医療法人、農事組合法人、NPO法人、森林組合、農業協同組合、外国法人など)は加入対象になりません。


6.掛け金は?


(1)掛け金月額

5,000円~200,000円まで自由(5,000円きざみ)。

(2)増額減額は?

途中で増額・減額も可能。ただし、減額には、事業規模の縮小等の理由が必要


(3)納付方法

  • 月払・半年払・年払が選択できます。
  • 掛け金前納もできますので、例えば、12月に1年分を支払うことで、最大480万円の損金算入可能
    (一定割合の前納減額金あり)。
  •  1年前納を毎年行う場合は、毎年申請手続きが必要。申請しない場合は、月払に変更。前払するには、前払する月の5日までに申請手続が必要。
  • 12カ月以上の前納も可能だが、1年以上前納しても「1年超分」は損金扱いにはならない


7.エグジットは?

小規模企業共済と違って、解約返戻時には、「益金」や「事業所得」になります(税金が普通にかかる)。
ですので、加入の際は、しっかりと「エグジット」を考えて加入したほうがよいと思います。

(エグジットの例)

  • 赤字年度にタイミングよく解約する。繰越欠損金は9年あるので、9年間の繰越を考慮して解約するのもありですね。
  • 退職金等の損金が見込まれる年度に解約する。


8.小規模企業共済との比較

倒産防止共済 小規模企業共済
元本保証 40カ月以上 20年以上(任意解約の場合)
掛け金上限 年間240万円 年間84万円
加入制限 1年未満新設法人は× 年度の制限はなし
掛け金減額理由 事業規模縮小等の理由必要 不問
解約返戻金 収入(or事業所得) 一括受取だと退職所得

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