自社株買いって何?
株の掲示板だったり、マスコミ等で「自社株買い」ってよく耳にしますよね。
これって、何のことなんでしょう?
自社株というのは、「自己株式」のことを略した言葉で、自身が発行した株式のことをいいます。
つまり、自身が発行した株を、「自ら買う」ことが「自社株買い」ですね。
1.自社株買いをする理由
自社株買いをする理由はいくつかあります。(詳細は、「自己株式って何?」をご参照ください)。
そのうち、上場会社が自社株買いをする理由は、
主に「減資」したいあるいは、「株主への還元」を目的とした場合がほとんどではないでしょうか。
「自社株買い」は、会社にとっても、会社の自己資本が減少する結果、自己資本利益率(ROE)が上昇するので、経営効率もよくなるんですよね!
最近新聞にも、「自社株買い過去最高」なんて記事がでてました!
2.自社株買いで株価は上がる?
「自社株買い」をすることで、株価を引き上げる効果があります。
よく「自社株買い」のニュースが新聞にでて、次の日、株価が急騰したりしますよね。
「自社株買い」をすることで、発行済株式総数が減少し、一株当たり当期純利益等の数値が上昇します。
つまり、配当等と同じように、株主持分を増加させる効果があるので、株価があがるんですね。
(厳密には、自社株を会社が償却するまでは発行済株式、資本とも減少しませんが)
3.株価への影響の事例
クレアビズ社の状況の以下の通りです。
- 「自社株買い」前の株価32,000円/株、発行済株式数10,000株
- 当期純利益3,200万、純資産6,400万
- 上記を前提に、2,000株の「自社株買い」をするとします。
(ご参考)
- 一株当たり当期純利益(以下、EPS)=当期純利益÷発行済株式総数
- 株価収益率(以下PER)=一株当たり株価÷一株当たり当期純利益
「自社株買い」前/買った後のEPS、PERを比較すると以下の通りとなります。
自社株買い前 | 自社株買い後 | |
---|---|---|
発行済株式 | 10,000株 | 8,000株 |
1株当たり株価 | 32,000円 | 32,000円⇒40,000円 |
1株当たり当期純利益(EPS) | 3,200円/株 | 4,000円/株 |
株価収益率(PER) | 10倍 | 8倍⇒10倍 |
自社株買いをした場合、発行済株式が減少するため、EPSは増加し、PERは減少します。
ただし、自社株買いを実施したとしても、クレア社の業績に変動はありません。
つまり、理論的には、自社株買い前のPER(10倍)まで株価は戻るはずです。
つまり、自社株買い前の株価は32,000円でしたが、買った後は、40,000円(※)にまで上がると想定されます。
(※)4,000円(自己株取得後のEPS)×10倍(取得前のPER)=40,000円