W020140126535770557858

 

 1.M&Aとは?

M&Aとは、企業の合併や買収のこと全般をいいます。事業の一部譲渡や、株式売却等も含む、広い意味でM&Aという言葉が使われることもあります。
 

 2.M&Aの目的は?

(1)規模拡大・選択と集中 

企業規模の拡大や、既存事業とのシナジー効果、市場競争力の強化等を目的としてM&Aが実施されます。例えば、新規事業に参入する場合は、一般的には本格的に事業化するまで多大な時間を要します。そこで、M&Aを実施することにより、時間をかけずに事業領域やシェアの拡大をはかります。また、不採算事業を売却することで、企業全体の利益率を高めることを目的とする場合もあります。事業の選択と集中を行い、将来性が見込めない不採算事業を売却することで、本業や将来性のある事業に集中し、効率化を図ります。
 

(2)事業承継 

特に最近、中小企業を中心にM&Aが加速しているのはこの「事業承継」を目的としたM&Aが多いです。創業者が、事業から手を引きたい場合に、子供や後継者がいない等の理由から、M&A(会社の売却)により投資回収をしようとします。創業者にとっては、もちろん愛着のある会社ですので企業を継続したい意思が強く、会社を売却することにより、企業を廃業させることなく存続できます。一方、買い手側も、蓄積された経営資源や従業員等のノウハウをそのまま利用できるメリットがあります。
 

(3)資金調達 

例えば、新事業を展開する際に必要な資金を、既存部門や子会社等を売却することで得る、つまり、資金調達することを目的としたM&Aです。
 

 3.M&Aのメリット

(1)時間の短縮 

一般的に、新たな事業を軌道に乗せるためには、人材育成やノウハウの蓄積等を行うのに多大な時間が必要ですが、M&Aでは、資金を投入することで時間の短縮が図れます。
 

(2)相乗効果 

M&Aにより規模を拡大することで、コストダウン等の規模の経済を図ることができます。また一方で、重複事業をまとめることにより、コスト削減や、経営資源を集中できる等の相乗効果も期待できます。
 

(3)リスク分散 

例えば、M&Aで新たな事業分野を買収することは、複数の収益源を得ることを意味しますので、リスクを分散できるメリットがあります。
 

(4)節税対策 

例えば、M&A等を活用すれば、法人税上の繰越欠損金等の利用等、節税メリットを享受できるケースがあります。また相続税上も、M&Aを活用することで会社の相続税評価を下げることが可能なケースもあります。
 

 4.M&Aのデメリット

(1)統合リスク 

M&Aでは、文化の異なる会社が統合することも多いため、なかなか当事者の期待どおりにはなりません。統合後すぐに人材が流出したり、統合前では見えなかった予想外の不良在庫を抱えていた等、想定外の事象が生じる可能性もあります。
ですので、M&A成功させるためには、事前の詳細な調査と、経営者の強いリーダーシップが必要になります。
 

(2)既存事業への影響 

M&Aでは、ある程度の資金が必要となります。仮に、結果的に相乗効果が見いだせなかったM&Aだった場合は、買収事業が本業まで足を引っ張る可能性もあります。したがって、統合後の姿を十分にイメージしたうえ進める必要があります。
 

(3)既存の利害関係者(取引先・株主・従業員等)との関係 

M&Aに積極的でない従業員や顧客などから反発をうけ、業務がうまく回らない可能性もあります。
 

<< 前の記事「自己創設のれんとは」