eh104

法人税や住民税・事業税を計算する際、「資本金等の額」という言葉がでてきます。
例えば、「寄付金の損金算入限度額」や、「均等割」の計算、外形標準課税の「資本割」の計算の際にでてきます。

この「資本金等の額」っていったい何なんでしょう?
「資本金等の額」によって、均等割の額が決まったりするので、意外と重要ですよー!


1.どのような場合にでてくるの?


(1)法人税

①寄付金の損金算入限度額

「損金算入限度額」を計算する時に出てきます。

②みなし配当の計算

「みなし配当」の計算をする時に出てきます。みなし配当は以下の式で計算されます。

%e8%b3%87%e6%9c%ac%e9%87%91%e7%ad%89%e3%81%ae%e9%a1%8d


(2)事業税

「外形標準課税」の資本割を計算する際の「課税標準」として利用されます。
(資本金が1億円を超える法人)
ここで、注意ですが、「外形標準」適用の有無は「資本金」で判断します(「資本金等の額」ではない)。


(3)住民税均等割

住民税均等割の税率区分は、「資本金等の額」と「従業員数」によって決められています。

2.「資本金等の額」って何?


(1)法人税(法人税法施行令8条)

法人税申告書の別表5(1)Ⅱの「差引合計欄」の所です。

「無償減資」や「無償増資」は会計仕訳前の金額です。
法人税法上の「資本金等の額」は、株主と実際に金銭等のやり取りがないと「資本金等の額」は減少しませんので
(組織再編は除く)。

「法人税法上の資本金等の額」のイメージは以下の通りです。

資本金
新株発行・自己株譲渡による払込額(資本金部分を除く)
新株予約権行使による増加額(新株予約権簿価)
+△ 組織再編成等による増減額
資本払戻しによる減少額
自己株式取得による減少額

%e8%b3%87%e6%9c%ac%e9%87%911


(2)事業税・住民税は?

法人税上の「資本金等の額」に、一定の調整を行った額となります。
以下の式となります。

法人税法上の「資本金等の額」+無償増資額-無償減資等による欠損填補

(※1) 無償増資額
「利益準備金」又は「その他利益剰余金」を資本金に振替えたもの(平成22年4月1日以後)。
「その他資本剰余金」を「資本金」に振替えた金額は含まれません。

(※2) 無償減資等による欠損填補額

  • 無償減資や、資本準備金減少により欠損填補を行った金額。
    (H13 4/1~H18 4/30)
  • 資本金又は資本準備金を、「その他資本剰余金」に振替後、1年内に「その他利益剰余金」(※)のマイナス部分に充てた金額
    (H18/5/1以後)

%e8%b3%87%e6%9c%ac%e9%87%91%ef%bc%92


(3)事業税・住民税上の「資本金等の額」に関する改正論点

事業税・住民税上の「資本金等の額」が、期末の「資本金及び資本準備金合計」未満の場合は、
⇒「期末の資本金+資本準備金が課税標準」となる改正
がありました。

これは、意外と影響大きいですよ!

%e8%b3%87%e6%9c%ac%e9%87%91%ef%bc%93

(注意事項)

  • 過去に「自己株式の取得」があった場合は注意しましょう。
    会計上、「自己株式」は間接控除しているだけなので、会計上の「資本金」額は、取得前と変わっていません。
    一方、税務上は、自己株式取得の際「減資と取り扱われる部分」があります。
    つまり、過去に自己株式の取得がある場合は、事業税・住民税上の「資本金等の額」<「期末の資本金+資本準備金」となるケースが多いです。
  • 「資本金等の額」に特定子会社の株式等(50%超保有の株式等)割合を控除する特例があります。
  • 資本金等の額が1,000億円を超える場合は、「資本金等の額」を細分化し、それぞれの率を乗じて計算します。


3.資本金等の額を減らすには?

資本金等の額を減らすと、「事業税や均等割の資本金等の額」が減少しますので、結果的に税金が減少します。
ただし、「資本金等の額」を減らしても、事業税や住民税は、上記の「資本金+資本準備金の合計基準」がありますので、
そのあたりも考慮して実行
しなければいけません。

(1)法人税上の資本金等の額を減らす

  • 有償減資(無償減資では、法人税上の「資本金等の額」は減少しない)
    自己株式の取得なども含みます。
  • 組織再編成による減少

(2)減資による欠損填補

減資による欠損填補を行うと、事業税や住民税の「資本金等の額」は減少します。

<< 前の記事「サンクコスト(埋没費用)って何?」次の記事「剰余金の分配可能額とは?」 >>