jf110
資産の譲渡等を行う場合、税法は、原則的に「時価」で譲渡が行われたものとして課税されます。
では、いったいこの「時価」って何なんでしょうか?


1.税法上の「時価」の定義

時価っていうのは、「客観的交換価値」です。漠然としてますね(笑)

じゃー税法上の具体的な「時価」の計算方法を・・と思って調べてみると、実は、法人税法や所得税法では、「時価」の具体的な算定方法の記載はないんですね。
「その時における価額」としか記載はありません。(法人税法 第22条、所得税法59条、相続税法第22条、第7条他)

一方、相続税上は、「財産基本通達」という通達があって、「相続税」や「贈与税」を計算する際の評価方法は、明確に定められています。
でも、この「財産基本通達の評価」は・・「時価」ではないんですね。

土地は、「路線価」などを基準に評価しますので、これが「時価」と勘違いされがちなんですが、これは、「時価」ではありません。
あくまで相続税、贈与税の計算をするにあたっての「評価方法」で、相続税上、「路線価」を時価とみなしているだけです。

路線価=相続税評価額であって、時価ではない
つまり、土地を売買する時の「時価」として、「路線価」をそのまま使っていいか?というと、「時価」ではないので使えない」ことになります。


2.時価って何?

元に戻って・・
「時価」というのは「客観的交換価値」ですので、例えば、客観的な第三者と実際に取引が成立した場合は、「時価での取引」が成立したということになります。

つまり、「恣意性が入らない」取引価額=時価となります。


3.具体的な時価の算定方法は?

実務上、「時価」算定に当たっては、次の方法が用いられます。

近隣の売買事例 近隣の売買実例があれば、その売買価額は「客観性」がありますので時価となります。
鑑定評価額 外部の独立した専門家である不動産鑑定士による評価は、「客観性」がありますので時価となります。
公示価格 ÷ 0.9 国土交通省が、1月1日時点を基準として公表。公示価格は、実勢価額の90%程度といわれていますので、公示価格÷0.9=時価(≒実勢価額)と算定されることがあります。


4.各評価額の関係

各評価額の関係を一覧すると、以下の通りとなります。

種類 金額 摘要
実勢価額 100%
公示価額・基準地価 実勢価額の90%
路線価 公示価額の約80% 相続税・贈与税で利用
固定資産税評価額 公示価額の約70%

2−1
<< 前の記事「譲渡所得とは?」次の記事「みなし譲渡所得課税って?」 >>