類似業種比準価額方式では、比準要素1やゼロになると、株価が高くなる場合が多いです。
今回は、そのうち、「比準要素1」になる場合の事例を作ってみました。
意外と判定に間違う可能性があるので、注意しましょう。
平成29年改正税法反映済(平成29年6月24日加筆)

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1.類似業種比準価額方式の算定式

おさらいになりますが、類似業種比準価額方式では、配当、純資産、利益の3要素(比準要素といいます)の数値と、同業他社の株価を用いて株価を算定します。

類似業種改正
 
A・・同業種の上場企業株価、B・・配当、C・・利益、D・・純資産の金額です。

類似業種の数値 貴社の数値
A  類似業種平均株価
B  1株当たり配当 Ⓑ 1株当たり配当(直前2期間平均)
C  1株当たり年利益 Ⓒ 直前期1株当たり年利益
((直前期+直前々期)÷2の低い方も可)
D  1株当たり純資産 Ⓓ 直前期末1株当たり純資産(帳簿価額)

A~Dは、国税庁で公表されている類似業種の数値。Ⓑ~Ⓓは、貴社の数値です。
つまり、配当、利益、純資産の各要素を、同業他社と比較して、だいたい当社はこれくらいだろうって株価を推定するやり方です。

しかし、これら3要素がすべてゼロや、1つの会社は、同業他社比較で株価を算定しても、実態を表しません。
そこで、税法は、これら3要素が0や1の会社は、類似業種ではなく、「純資産法」を採用することとなっています。
 

2.3要素の判定時期

まず、類似業種比準方式での、各3要素(比準要素といいます)の判定時期は、以下の通りとなります。

  • 配当、利益・・・直近or 直近+2期前平均の低い方可(有利な方OK)
  • 純資産・・・・・直近のみで判定(平均不可)

 

3.比準要素1の会社の定義

「上記3要素」を、直近で判定して2つがゼロかつ2期前基準で判定しても、2以上がゼロ

(POINT)

◆比準要素1になるか?は、直近基準で判定し、かつ、2期前基準でも判定する必要あり
 

4.例題

  • 大会社
  • 直近3期間の数値は以下とします

 

直近 2期前 3期前
配当 0 0 0
純資産 0 +100 0
利益 △100 +500 △1,500

 

(1)手順1

まず、直近基準で判定

3要素 直近 2期前 平均 摘要
配当 0 0 0 2期前と平均しても、結果ゼロ
純資産 0 0 直近のみ、2期前とは平均できない
利益 △100 +500 +200 直近は△100だが、2期前+500と平均すれば+200

 
(結果)
配当と純資産2つがゼロ、ただし、利益はプラスとなるため、比準要素1となる
⇒手順2へ(⇒いいとこどり可・・比準要素ゼロにならない結論にできる!)
 

(2)手順2

2期前基準で判定して、2つ以上がゼロになるか?

3要素 2期前 3期前 平均 摘要
配当 0 0 0 3期前と平均しても、結果ゼロ
純資産 +100 0 2期前のみ。3期前とは平均できない
利益 +500 △1,500 △500 2期前は+500だが、3期前△1,500と平均すれば、△500

 
(結果)
配当は0だが、純資産+100(直近)、利益+500(平均)
⇒2期前基準で判定すれば、比準要素2となる(⇒いいとこどり可・・比準要素0,1にならない結論にできる!)
 

(3)結論

⇒比準要素0、1どちらでもない、「通常の会社」(大会社)になります。
大会社⇒類似業種100% ⇒ 結論、株価ゼロになります。
 

5.留意事項

申告ソフトでは、勝手に有利な方(低い方)を採用してしまうので、マニュアル修正が必要な場合があります
例えば、上記の例題を「申告ソフト」で入れた場合、「手順2」の、「利益」の判定の際、有利な方(低い方「△500」(平均))を自動で採用してしまうとどうなるでしょう?
比準要素1の会社と判定されてしまい、結果的に株価が高くなってしまう可能性があります。

通常の会社では、「有利な方」を選択してくれる方がありがたいのですが、比準要素0,1の判定の際は、
申告ソフトで普通に自動計算にすると、結果的に株価が高くなってしまう可能性がありますので、注意しましょう。

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