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非上場株式を相続する場合や、生前贈与する場面では、株式の価値を評価する必要が生じます。
非上場株式については、取引相場がないため、評価が非常に難しくなります。
非上場株式の評価方法は「財産基本通達」に定められています。「類似業種比準価額方式」、「純資産価額方式」「配当還元方式」の3つです。

今回は、このうち、比較的大きな規模の会社に適用される「類似業種比準価額方式」の評価方法につき解説します。

なお、自社株式の評価方法の選択については、No36をご参照ください。大会社・中会社・小会社の区分により、選択すべき評価方法が異なってきます。
 

1.類似業種比準価額方式とは?

 

(1) 類似業種比準価額方式とは?

評価対象の会社と事業内容が類似する「上場会社株価」を参考に、評価額を求める方法です。
1株当たり配当、利益、純資産の3つの要素につき、対象会社と類似上場会社と比較して、倍率で自社の株価を推定する方法です。
 

(2)計算式

計算式は以下となります。
アルファベットのA~Dは、それぞれ1株当たりの株価、配当、利益、純資産の金額です。
〇のないA~Dは、国税庁で公表されている同業上場類似業種の数値、Ⓑ~Ⓓは、貴社の数値となります。
 
見た目は難しそうに見えますが、イメージは、3要素(配当、利益、純資産)につき、自社と同業他社を比較した倍率を平均し、「類似業種上場会社の株価に掛け合わせることで、概ね貴社の株価はどれくらいか?を推定するやり方となります。
 

 
会社の規模に応じて、斟酌率(0.5~0.7)がが認められています。斟酌率の会社規模区分(大会社・中会社・小会社)については、No36をご参照ください。

 

 
類似業種の数値A~Dは、国税庁に「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」が公表されていますので、そこから選択します。

(1)類似業種の選定

類似業種比準価額方式の株価は、自社と比較する「類似業種」をどこにあてはめるのか?で株価が大きく異なります。
まず、評価会社の事業や業種目が、国税庁上の、どの業種に該当するのか判定します。

日本標準産業分類の業種を確認し、国税庁上の「日本標準産業分類の分類項目と類似業種比準価額計算上の業種目との対比表」にあてまめて、自社の業種目を選択します。
類似業種の選定方法については、No196で詳しく解説しています。こちらご参照ください。

 

(2)類似業種の株価

類似業種の選定が完了すれば、次に類似業種の株価を、「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」より把握します。

類似業種の株価は、以下のうち、最も低い株価を選択できます。

    ①課税時期の属する月
    ②課税時期の属する前月
    ③課税時期の属する前々月
    ④前年度の平均株価
    ⑤課税時期の属する月以前2年間の平均株価

 

【例 小売業(79)で、課税時期が令和4年2月の場合】

①課税時期の属する月 411
②課税時期の属する前月 410
③課税時期の属する前々月 429
④前年度平均株価 474
⑤課税時期の属する月以前2年間の平均株価 451

⇒一番低い株価を選択 ⇒ ②課税時期の属する前月 410円を選択

 

(3)類似業種の1株あたり配当金額・利益金額・簿価純資産価額

こちらは、選択の余地がありません。国税庁に公表されている数値をそのまま選択します。
 

【例 小売業(79)で、課税時期が令和4年2月の場合】

 

1株あたりの配当金額 5.9
1株あたりの利益金額 41
1株あたりの簿価純資産価額 268

 

3.自社の数値(Ⓑ~Ⓓ)

 

(1)評価対象会社の数値算定上の留意事項

① 発行済株式数は1株50円に置きなおす

自社の3つの要素の数値を計算する際の「株式数」は、「直前期末の資本金等の額」を50円で割った株式数で計算します。
なぜなら、上記2「類似業種の3つの要素」は、資本金等の額を50円とした場合の金額で計算しているためです。
資本金等の額とは、法人税申告書別表5(1)Ⅱ「資本金の額の計算に関する明細書」の「差引合計欄」の金額です。

 
(例)資本金(=資本金等の額)1,000万円。実際発行済株式総数1,000株の場合(1万円/株)
 ⇒1,000万円 ÷ 50円 = 200,000株 発行しているものとして計算します。
 

② 相続日や贈与日の数値ではない

評価会社の比準要素(Ⓑ、Ⓒ、Ⓓ)は、相続や贈与日の数値ではなく、直前や直前々期の数値を使います。
類似業種の3要素の価額が、あくまで決算ベースの数値で集計されているためです。
なお、純資産価額方式は、原則、仮決算による相続開始日の資産・負債で評価、例外的に直前期末or③直後期末の資産・負債により評価する点と大きく異なりますので、留意が必要です。
 

(2)自社の1株あたり配当金額

以下の式で計算します。
 
直前期末以前2年間の配当金額の平均額 ÷ 発行済株式総数
 
各事業年度中に配当金の交付の効力が発生した配当(株主総会の決議)です。
ただし、その他資本剰余金を原資とした配当(有償減資)や、特別配当、記念配当は含まれません。
端数処理は、10銭未満切り捨てとなります。

(例) 3月決算 令和4年12月に相続発生 ⇒令和3年3月期(直前期末)、令和2年3月期(直前々期)中に行われた配当
 

(3)自社の1株あたり利益金額

原則、直前期の数値で計算しますが、直前期、直前々期の平均額でもOKですので、結論的には低い方を採用します。
それぞれの年度ごとに、以下の計算式で算定します。

(直前期末の法人税課税所得+受取配当益金不算入(別表8) -左記対応控除所得税(別表6(1))+繰越欠損金控除額-非経常的利益)÷ 発行済株式総数

合計額がマイナスの場合は「ゼロ」となります。
端数は円未満切り捨てとなります。
 
評価会社の経常的な利益を算定する趣旨より、課税所得から上記式の調整を行います。なお、「非経常的な利益」についてはNo192で詳しく記載しています。ご参照ください。

 

(4)自社の1株あたり純資産価額

直前期末の数値で計算しますので、選択の余地はありません。
以下の式で算定します。
 
(別表5(1)直前期末の資本金等の額+直前期末の利益積立金額) ÷ 発行済株式総数
 
合計額がマイナスの場合は「ゼロ」となります。
1株あたりの純資産金額は、実務の便宜を考慮して、時価評価ではなく、「帳簿価額」で計算した金額となります。
端数は円未満切り捨てとなります。
 

4.類似業種比準価額を算定

類似業種と自社の数値が把握できれば、上記の式に当てはめ、類似業種比準価額を算定します。
 

比準割合(分子)は、小数点以下第2位未満の端数は切捨てます。
最終的な1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てます。

5.具体例

  • 相続発生日 2022年7月1日
  • 決算日は3月、小売業(79)、資本金1,000万円とする。
  • 2022年3月期の配当 320万円、利益1,600万円、純資産(法人税申告書の期末資本金等の額⁺利益積立金額)は2億円。
  • 2021年3月期の配当 280万円、利益1,400万円、純資産(法人税申告書の期末資本金等の額⁺利益積立金額)1.5億円。
  • 上記年度については、受取配当、非経常的利益、繰越欠損金の利用はないものとする。

 

(1)1株50円とした場合の発行済株式総数

  1,000万円÷50円=200,000株
 

(2)小売業の類似業種の1株当たりの株価、配当、利益、純資産価額

上記2(2)(3)参照
 

(3)自社の数値

1株あたり金額 計算根拠
1株当たり配当 15円 (280万円 + 320万円) ÷ 2 = 300万円
300万円 ÷ 200,000株 = 15円/株
1株当たり利益金額 75円 直前+直前々期の平均の方が安いため、平均を採用
1,400万円 + 1,600万円 ÷ 2 = 1,500万円/株
1,500万円 ÷ 200,000株 = 75円/株
1株当たり純資産価額 1,000円 直前期末のみ 2億円
2億円 ÷ 200,000株 = 1,000円/株

 

(4)類似業種比準価額

比準割合(分子)は、小数点以下第2位未満の端数は切捨てます。

 

6.類似業種比準価額方式の特徴

一般的に、純資産価額方式よりも類似業種比準価額方式の方が株価が安くなるケースが多いです。
ただし、類似業種比準価額方式でも、思わぬ高い株価になるケースがありますので、以下のような「類似業種比準価額方式」の特徴を把握しておく必要があります。

  • 自社のそれぞれの要素(配当、利益、純資産)が高くなると、株価は高くなる
  • それぞれの要素(配当、利益、純資産)の影響は1:1:1でイーブン。単純に直近の利益だけ抑えても株価は下がらない。

 

7.参照URL

(類似業種比準価額)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/03.htm

(令和4年分 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/r04/2206/index.htm
 

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