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1.みなし贈与って何?

財産を、個人から個人に贈与した場合だけでなく、時価よりも「著しく低い」で譲渡した場合にも、譲渡を受けた方に「贈与税」がかかるケースがあります。
「みなし贈与」といわれます。時価との差額については、「贈与があった」とみなされるんですね(相続税法7条)。

前回の「3.みなし譲渡所得課税」は、法人に対して「贈与した側」の話でしたが、今回は、贈与を受けた側の話です。
頭がごっちゃになってしまう論点ですので、ご留意ください!

4−㈰

4−㈪

~相続税法7条~
著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、・・・当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があった時における当該財産の時価・・・との差額に相当する金額を・・・贈与・・・により取得したものとみなす。

2.著しく低い価格って?

では、「著しく低い」ってどれくらいなんでしょう?
例えば、土地を「路線価」で譲渡した場合、「著しく低い」と言えるんでしょうか?

「2.適正な時価とは?」のところで記載しましたが、「路線価」は時価ではありません。
一般的に実勢価額(時価)の7~8割程度といわれています。
とすると、仮に、路線価で譲渡した場合は、「時価よりも低く売却」したことになりますね。

問題は、「路線価」が、時価よりも、「著しく低い」といえるのかどうかですね。


3.著しく低いとは?

「著しく低い」かどうかの目安となる判例があります(東京地判平成19年8月23日(行ウ)第562号)

判例では、まず、「社会通念に従って、著しいかどうかを判定」するとされています。

そのうえで

  • 地価公示価格(時価)の約80%とされる「路線価」は、「社会通念上、基準数値と比べて、一般に著しく低い割合とはみられていない」としています。
    ⇒つまり、時価の約8割、ないしそれ以上の価額での売買は、「著しく低い価額」とはいえないから、みなし贈与税は発生しないという判断です。
  • ただし、「相続税評価額」が、明らかに時価の80%よりも低くなっている認められる場合は、「著しく低い価額」の対価による譲渡になるとしています。


4.結論

路線価で売ったからと言って、必ずしも、「著しく低い価額」とは言えない。
つまり、時価の8割というのが、「著しく低い」の目安になるということでしょうか

このあたりは、神のみぞ知る・・論点ですね。

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