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新聞やニュースでは、よく「空き家問題」が話題にあがっていますね。
最近は、核家族化などの影響もあり、せっかく家を相続したのに、利用することなく「空き家」になってしまうケースが・・結構あるようです。
 
「空き家」は、老朽化すると危険ですし、土地の有効活用という点からも、国として放っておくわけにはいきません。そこで、空き家売却を促進するため、「空き家売却時の3,000万円の特別控除」の特例という制度が新設されました。

 
ただし、要件が非常に複雑で、適用できるケースが限定されているため、実務上はそこまで利用がすすんでいないのが現状のようです。

 
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1. 空き家売却特例とは?メリット・デメリット

 

(1) 空き家特例とは

相続で引き継いだ土地建物を、①取り壊して更地にして売却or②建物をリフォームして売却する場合、譲渡所得から3000万円控除できる制度です。
 

(2) メリット・デメリット

メリット デメリット
  • 売却所得税の負担軽減
  • 空き家売却をスムーズに進められる
    (=資金確保が容易となる)
  • 国全体としての土地の有効活用
  • 現行耐震基準に合わせる必要があり、リフォームが必要な場合や、解体費用が追加発生する場合がある。
  • 要件がかなり厳しい。

 

2. 空き家売却特例の特徴

(1) 家屋と敷地をセットで相続した場合のみ

この特例は、家屋と敷地を「セットで相続取得した相続人だけ」が利用できます。
家屋と敷地を、別々の相続人が取得した場合は、適用できません。
 

(例)

ケース 適用関係
相続人のうち土地と家屋をそれぞれ別々に相続した場合 土地家屋セットで相続した方のみ特例適用可能。
⇒それぞれ別々に相続した場合は、特例適用不可
家屋or敷地は元々相続人が所有していて、今回敷地or家屋のいずれかだけ相続した場合 特例適用不可

 

(2) マンションや区分所有2世帯住宅は対象外

区分所有建物(マンション等)は対象外となります。区分所有登記している2世帯住宅も×となります。
 

(3) 建物取り壊しor建物リフォーム必要

特例の対象となるものは、土地のみも可能ですし、土地建物両方も可能です。
ただし、当該制度は、空き家となり老朽化した家屋を減らしていくことことが制度趣旨となりますので、①家屋を取り壊して土地を売却or②取り壊さず、耐震基準を満たすリフォームをして土地建物を売却する場合のみとなります。
 

家屋を取り壊して更地を売却する場合 解体工事の時期に注意が必要です。売主は、引渡までに家屋を取り壊しておく必要があります。(=更地状態で引渡)
したがって、例えば、古家つきで、家屋価額ゼロで引き渡す場合は、特例の適用はできません。
また、土地を譲渡した後に、建物の取り壊しやリフォームをしても、特例の適用が受けられない点にも注意しましょう。
家屋を取り壊さない場合 家屋を取り壊さず、そのまま譲渡する場合は、建物につき、一定の耐震基準を満たす必要があります。
耐震リフォームを行い、「耐震基準適合証明書」を取得する必要があります。

 

3. 要件

空き家家屋の要件
  • 相続開始直前に、被相続人の居住の用に供されていた家屋(※)
  • 相続直前に、被相続人だけが居住(貸付してる場合は×)
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋
  • 相続開始後、譲渡時まで事業・貸付・居住の用に供されていない。
  • 区分所有建物(マンション等)は×。区分所有登記している2世帯住宅も×。
  • 更地にして売却する場合は、取壊費用を売主が負担し、譲渡時までに建物が取り壊されていること
  • 家屋を譲渡する場合は、一定の耐震基準に適合するものであること。
譲渡価格・譲渡先
  • 売却代金は、1億円以下
  • 買主は配偶者や直系血族など、特別な関係の人に対する売却ではないこと
譲渡期間
  • 相続開始日から3年目の日の属する12月31日までの譲渡

(※)平成31年度税制改正により、平成31年4月1日以後の譲渡から、「老人ホームに入居していた一定の場合」も、特例の適用ができるようになりました(被相続人要介護認定要件あり)。ただし、老人ホーム入居前に「本人以外」が居住していた場合は適用できないため、小規模宅地等の特例とは要件が大きく異なります。

譲渡対価が1億円を超えるかどうかの判定は、かなり複雑です。
「共有」の場合は、合計で判定するなど、さまざまな細かい規定がありますので、留意しましょう
(租措法35-20)

 

4. 他の制度との併用

居住用財産に関連する「他の特例」との併用関係をまとめておきます。

マイホーム売却時の3,000万円特別控除の特例 併用(合わせて3,000万円まで)
(租措法35条、みなす規定あり)
マイホーム売却時の買い替え特例 併用不可(居住の用に供していないので)
(租措法36条の2みなす規定なし)
所有期間10年超軽減税率の特例 併用不可(居住の用に供していないため)
(租措法31条の3みなす規定なし)
「相続3年内取得費加算の特例」 併用不可。選択適用
住宅ローン控除 併用(空き家と別に自宅がある場合)