CA064

 

 

FX(外国為替証拠金取引)で儲かった利益にも、もちろん「税金」がかかります。
FXで儲かった利益は、所得税上「雑所得」と呼ばれ、確定申告の対象となります。

しかし、同じ雑所得でも、国内FXは「申告分離課税」、海外FXは「総合課税」と呼ばれ、課税方式が異なる点に注意しましょう。

 

1. 税率の違い


(1) 国内FX

申告分離課税となります。申告分離課税というのは、給与等の所得とは分離して税額計算する方法です。
申告分離課税の税率は、一律20.315%となります。

 


(2) 海外FX

総合課税の対象となります。
総合課税というのは、給与等の所得と合算後の「課税総所得金額」に応じた税率(超過累進税率)で税額を計算する方法です。
総合課税の税率は、各人の「所得の金額」で税率が変わってきます。

 

1-1

 

つまり・・所得が高くなればなるほど、海外FXの方が税額は多くなるのがわかりますね。

 


(3) ご参考~海外FXが、「総合課税」になる理由~

税法上、「分離課税」が認められるFX取引は、「金融商品取引法に規定する店頭デリバティブ取引に該当するFX取引」とされています。
この点、海外FX業者は、ほとんどが「金融庁」の認可を受けることなく商品を提供しているため、上記の定義に該当せず「分離課税」が適用できないということなんです。

海外FX業者が「金融庁の認可」を受けない背景としては、レバレッジ限定商品しか運用できない(=ハイリスク商品が提供できない)ことがあげられます。

 


2. 海外FXの特徴


(1) 国内FXとの損益通算はできない

海外FXは、国内FXとの「損益通算」ができません。

損益通算とは・・簡単に言うと、「黒字と赤字が相殺できる制度」です。損益通算ができると、利益が出ても、赤字部分が差し引けるので税金が安くなります。

同じ雑所得でも、海外FXは「総合課税」、国内FXは「申告分離課税」ですので、違う課税形式同士の「損益通算」は認められていません。
逆に同じ課税方式同士、「総合課税同士」「申告分離課税同士」の損益通算はOKです。
まとめると、以下の通りとなります。

 

海外FX 国内FX
海外FX 総合課税 申告分離課税
損益通算 「総合課税の雑所得」との損益通算は可能。 「申告分離課税の雑所得」との損益通算は可能
損益通算できる所得の例 海外FX、公的年金や原稿料・印税、講演料、アフィリエイト収入、ネットオークション売上 国内FX、先物取引、オプション取引(株式の損益とは、損益通算できない)

 


(2) 損失の繰越控除ができない

海外FXは、「損失の繰越控除」ができません。
損失の繰越控除とは・・簡単に言うと、「損益通算」してもなお、「損失」が残る場合、翌年以降「3年間繰越」することができる制度です。
損失の繰越控除ができると、翌年以降「3年間」税金が安くできる可能性があります。

国内FXの場合は、3年間の「損失の繰越控除」が認められているのと比較すると、ここは海外FXの大きなデメリットとなります。

 

(3) 必要経費は計上できる

国内FXと同様、海外FXについても「必要経費」の計上は可能です。
FX取引は、「収入」全てに対して税金がかかるわけではなく、「経費」を差し引いた「所得」に対して税金がかかります。
つまり、「経費」を計上すれば、その分、海外FXの税金は抑えることができます。

一般的にFXで考えられる経費は、以下のようなものです。

  • トレードに使用するパソコン、携帯端末の購入料金
  • トレードに必要なプロバイダー料金、電話料金などの通信費
  • 関連書籍・新聞図書費、セミナー料、交通費
  • 海外送金手数料
  • 家賃・光熱費など(家事按分は必要)

 


3. 所得税確定申告書での記載

所得税の確定申告書の記載場所は、「国内FX」「海外FX」で、それぞれ異なる点に注意しましょう。
つまり、国内FXと海外FXのもうけは、それぞれ別々に把握しておかないと、確定申告の時にあわてることになるので注意です。

① 国内FX

年が明けたころ、証券会社から「年間取引報告書」が送られてきますので、これを見ながら、確定申告の入力作業を行います。

  • 申告書第3表 「先物取引に係る雑所得等」の欄
  • 先物取引に係る雑所得などの金額の計算明細書

  (損失の場合、所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)も添付

② 海外FX

国内FXのような「年間取引報告書」は送られてきませんが、MT4(メタトレーダー)を利用してFXトレードを行っている場合、年間取引をダウンロード集計できるようです。
これを見ながら「確定申告の入力作業」を行います。

  • 申告書第1表、第2表(「雑所得」その他の欄)

 


4. まとめ

 

国内FX 海外FX
共通点 雑所得
申告分離(他の所得と分離課税) 総合課税(他の所得と合算課税)
税率 20.315% 所得に応じた税率
損益通算
申告分離課税の雑所得同士
例 国内FX同士・先物やオプション取引など)

総合課税の雑所得同士
(国内FXと損益通算不可)
損失の繰り越し 3年間繰越可 繰越不可
メリット 損失繰越OK
累進所得税率が「高い時」はお得
累進所得税率が「低い時」はお得
デメリット 累進所得税率が「低い時」は損 損失繰越×
累進所得税率が「高い時」は損

 

<< 前の記事「長期平準定期保険って何?」次の記事「学資保険と税金の関係は?」 >>