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iDeCo(イデコ)は、「個人型確定拠出年金」の愛称で、個人が将来の年金にために拠出した掛け金を自分で運用し、資産を形成する年金制度です。

従来は60歳未満の方が加入対象でしたが、2022年5月以降は、国民年金の被保険者であれば、原則65歳未満まで加入ができるようになります。また、2022年10月より、企業型DC加入者も、原則iDeCoに加入できるようにもなりますので、従来よりもiDeCoはさらに身近な商品となってきています。

今回は、iDeCoのメリットデメリットを中心に解説します。
 

1.iDeCoとは?

iDeCoは、確定拠出年金の1つです。確定拠出年金とは、将来給付される「年金受取額」が、運用結果によって変動するものもので「企業型確定拠出年金(企業型DC)と、個人型確定拠出年金(個人型DC)の2種類があります。
どちらも、個人が運用方法を決めることができる点が特徴ですが、今回のiDeCoは「個人型確定拠出年金」となります。

一方、将来給付される年金が「固定」されている商品は「確定給付年金」と呼ばれます。

 

2.iDeCoのメリット

idecoは、税制面や、資産運用面でも「運用利益が非課税」となる点で、メリットがあります。

(1)節税として利用できる

  • 掛金は「全額所得控除」になるため、毎年の所得を圧縮可能。
  • 将来の返戻金には税金がかかりますが、一括受取の場合は「退職所得」将来「年金」で受け取る場合も、「公的年金控除」となり、税金がほとんどかからない。
  • 運用した結果得られた利益は非課税
    (一般的な金融商品は20.315%課税される)

小規模企業共済と似ていますが、拠出時・運用時・返戻時すべてに節税ができるという点で、メリットが大きい制度です。

 

(2)安全性が高い

拠出した(支払った)年金は、「個人資産」として保障されます。
確定給付年金の場合は、あくまでも年金全体の資産(個人の資産ではない)ため、年仮に金が破たんした場合は、給付額も下がります。一方、idecoは、「運用リスク」を自分で負う代わりに、個人の資産ですので、(全体で運用する場合と異なり)、運用結果が、他の第三者に影響されることはありません

 

(3)運用商品を自分で決められる

運用委託する金融機関や、商品を自分で選択して運用することができます。運用結果は自己責任ですが、安全性の高い「預金」で運用も可能であり、「投資信託」「保険」等、さまざまな商品を組み合わせて運用することが可能です。

 

3.iDeCoのデメリット

(1)収入がないとあまり意味なし

iDeCoの最大のメリットは、支払額につき「所得控除」できる点です。つまり、収入がなければ所得控除がありませんので、専業主婦の方や無職の方は、iDeCoをするメリットは基本的にありません。

なお、専業主婦等の方でも、運用収益は非課税となりますので、将来的に税額ゼロで運用収益を受け取れる可能性はありますが、赤字の場合は・・損益通算できないため、デメリットしかありません。
 

(2)原則、60歳までは引き出しできない

iDeCoは、原則、60歳になるまでは、引き出しすることができません。ただし。加入者が死亡した場合や、病気や怪我で障害を負った場合は返金が可能、拠出金の減額や一時停止の選択は可能です。

なお、通算加入期間が10年に満たない場合は、給付金の受給開始時期が遅くなります。
 

(3)運用によっては損する場合も?

預金と異なり、さまざまな金融商品を選択して運用することができる反面、ハイリスクハイリターンの商品で運用した場合は、結果的に元本割れするケースもありえます。
 

(4)手数料がかかる

加入時の手数料(3,000円程度)だけでなく、毎月数百円程度の「手数料」がかかります。例えば・・定期預金で運用しても、現在の金利だと損する可能性は高いです。
ただし、運用開始時は、手数料がやや割高となるものの、長期的に見れば、このデメリットは解消されると思います(金融機関によって手数料は異なります)。

 

4.掛け金の上限:加入できる方(2022年改正)

(1)掛け金の上限

種類 年金加入区分 掛け金上限
自営業者
(第1号)
68,000円
サラリーマン
(第2号)
企業年金なし 23,000円/月
企業型DCのみ加入 20,000円/月
企業型DC・確定給付年金加入
or確定給付年金のみ
12,000円/月
公務員
(第2号)
12,000円/月
専業主婦・主夫
(第3号)
23,000円/月

2022年10月以降。企業型DCに加入している人でも原則iDeCoに加入できるようになります。
(従来は、企業型DCがある会社は企業型DC規約でiDeCoへの加入を認めていないと加入ができなかった)

【イメージ図】

ideko

 

(2)加入可能年齢(2022年5月1日~)

iDeCoへの加入年齢が、2022年5月より拡大しています。
2022年5月からは、国民年金の被保険者であれば原則65歳未満まで加入できるようになります。
 

5.受取開始時期(2022年改正)

2022年4月より、iDeCoの受取開始時期が、60歳から最大75歳までに広がりました(従来は70歳まで)。この結果、70歳以降も非課税での運用が可能となります。なお、同時に、公的年金の受け取り開始時期も60歳~75歳までに拡大されています。
 

6.iDeCoとNISAの違い

iDeCoは年金、NISAは少額投資という切り口ですが、どちらも「非課税制度や優遇」があるなど「資産運用」という観点では、共通しています。それぞれにメリットデメリットがあるので、どちらがよいというわけではありませんが、以下比較します。

iDeCo NISA
共通点 運用利益が「非課税」
運用利益以外の税制特典 掛け金所得控除
退職所得控除
(or公的年金控除)
非課税期間 積立期間 5年(最大10年)
払出 60歳まで原則不可 いつでも可
損益通算 課税口座と通算不可
年間投資上限 ~816,000円/年 ~120万円まで
運用商品 預金・投資信託 ・投資信託など
運用期間 原則60歳まで不可
(最長70歳まで)
いつでも可能

iDeCoは、老後の年金や退職金確保のための「中長期的な資産運用」ツールNISAは「短中期的な資産運用」ツールという点で、目的の違いがあります。
iDeCoは、掛金所得控除や退職所得控除がありますので、税制面での恩典は、iDeCoの方が大きなメリットがあります。ただし、iDeCoは、あくまで将来の退職金や年金のための制度ですので、「短期的に払出ができない」という点に注意しなければいけません。
一般的には、

  • 長期の老後資金(すぐに使わないお金)・・・iDeCo
  • 短・中期的な資金(将来使うかもしれないお金)・・・NISA

 
という形で使い分ける方が多いかもしれません。

 

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