No190.仮想通貨で生じた所得の「区分」と「損失」の取扱い
1.所得の分類
仮想通貨で得た利益(=所得)に対する所得税は、原則、雑所得(事業的規模の場合は事業所得)に分類されます。
雑所得とは、公的年金のほか、副収入、FX、仮想通貨などで得た所得全般を指します。(事業的規模除く)
2.雑所得は原則、総合課税
雑所得は、原則「総合課税」となり、所得に応じた「累進課税」となります。
3.損失の取扱い
仮想通貨取引で損失が生じた場合、他のプラスの所得と通算して、税金を安くすることはできるでしょうか?
結論は・・通算できる場合と、できない場合があります。
他の所得の種類によって、取扱いが異なりますので、以下にまとめます。
雑所得以外の他の所得 | 損益通算不可 | 雑所得は、他の所得と損益通算できません。 例えば、仮想通貨取引で損失が出た場合に、給与所得や事業所得のプラスと損益通算できません。 |
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総合課税の雑所得 | 内部通算可 | 他の「総合課税の雑所得」とは「内部通算」できます。 例えば、仮想通貨取引で損失が生じた場合、他の仮想通貨で生じた所得や、海外FXなどは、総合課税の雑所得となりますので、内部通算することで、税金を安くできます。 |
分離課税の雑所得 | 内部通算不可 | 雑所得でも、分離課税の雑所得とは「内部通算」できません。 分離課税の雑所得の代表例は、国内FXなどです。 例えば、仮想通貨取引で損失が出た場合に、国内FXで生じた所得とは「内部通算」できません。 |
FXといっても、「海外FX」は総合課税、「国内FX」は分離課税、と取り扱いが異なりますので、一概にFXだからといって、通算できないわけではない点、留意しましょう。
4.申告が必要な場合
仮想通貨を所持しているだけでは、確定申告の必要はありません。
仮想通貨の取引(売買・交換・商品の購入)によって、利益を得た場合のみ確定申告が必要となります。
申告義務があるかどうか?については、コチラにまとめています。
ぜひ、ご参照ください。
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