No171.国外に居住する家族も扶養にできる?
最近は、日本国内の会社でも、外国人の方がお仕事されていることも多いですね。
外国人の方でも、日本国内で発生した所得(国内源泉所得)には「日本の所得税」が課税されますので、会社に「扶養控除等申告書」を提出すれば、一定の「扶養控除」を受けることができます。
しかし、外国人の方は、故郷に家族を残して、単身で日本に来られている方も多いかもしれません。
こういった場合、税務署の立場からすると、本当にその方が、外国に居住する家族を「扶養しているのか?」を確認することって難しいですよね?
そこで、国内で勤務する外国人が、海外に居住している家族(=非居住者といいます)を「扶養親族」に入れる場合には、別途「一定の書類」を会社に提出することが要求されています。
1. 必要書類
非居住者を、所得税の計算上、「扶養親族」として扶養控除するためには、「親族関係書類」と「送金関係書類」の両方を会社に提出する必要があります。
必要書類 | 内容 |
---|---|
親族関係書類 | 次の1.又は2.のいずれか
|
送金関係書類 | 次の1.又は2.のいずれか
|
2. 扶養控除申告書への記載方法
扶養控除等申告書には「非居住者である親族」の欄に「〇」を、「生計を一にする事実」の欄に「送金額」を記載します。
3. 留意事項
(1) 送金関係
① 送金額はいくら以上?
「送金額の最低基準」はありませんが、年間送金総額が少額な場合、「送金目的」を聞かれる場合があります。
② 現金での手渡しは?
不可です。
③ 国外居住親族が複数いる場合は?
扶養控除の適用を受けようとする各人別の「送金関係書類」が必要となります。
(2) 書類関係
① パスポートの写しはどのページが必要?
国外居住親族の方の氏名、生年月日などが記載されている「身分事項」のページの写しが必要です。
② 書類は外国語でもよい?
外国語で作成されている場合、その翻訳文も提示することとされています。
③ 必要書類の保管期間は?
7年間、保存する必要があります
なお、日本人の従業員でも、お子様が留学等で国外にいる場合(=非居住者)は、上記外国人と同様の書類が必要となります。
4. 参照URL
(国外扶養親族にかかる扶養控除等の適用について~国税庁)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/kokugaifuyou_leaflet.pdf
(国外扶養親族にかかる扶養控除等Q&A)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/kokugaifuyou-QA.pdf
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