就職や転職などの場合、新しい職場では「入社日」が社会保険加入日となりますが、「健康保険証」の発行には・・7日~15日程度かかります。
 
もし、健康保険証が届くまでの間に、医療機関等で受診するケースが生じた場合・・
健康保険証がないので「自己負担」になるのでしょうか?
小さなお子様がいる場合などは、現実的にありえそうな論点ですね。

今回は、協会けんぽを前提に、法人で加入した「健康保険証」が手元にない場合の取扱いを解説します。

 

1.前職の「健康保険証等」が利用できるのはいつまで?

 

(1) 健康保険・国民健康保険の資格喪失時期

前職を退職した場合、一旦、退職日の翌日に「社会保険の資格」は喪失し、資格喪失日より、次の健康保険に加入することになります。前職退職後、次の職場が決まっていない場合は、一旦「国民健康保険」に加入します。

一方、新しい職場では「入社日」が資格取得日となりますので、前職の「健康保険証」や「国民健康保険証」が利用できるのは、「新会社の健康保険証が手元に届くまで」ではなく、「入社日前日」までとなります。

したがって、「健康保険証が届くまで」の間は、新しい会社の「健康保険」に加入済みとなりますので、前職の「健康保険証」や「国民健康保険証」は利用することができません。

 

(2) 健康保険証が手元にないケースが想定されるケース

例えば、下記のケースで、健康保険証が手元にないケースが想定されます。

  • 就職、転職、独立して会社設立した場合
  • 結婚により、配偶者が増加した場合
  • お子様誕生その他、扶養者が増加した場合

 

2.保険証到着前に医療機関を受診した場合

保険証が到着するまでに、病院を利用した場合は、原則として、一旦全額ご自身が支払うことになります。

ただし、当該医療費の支払は、あくまで立替のため(協会けんぽ負担)、保険証到着後に、立替金の払戻請求を行います。
 

(1) 医療機関から払い戻しを受ける

診療を受けた「同月内」に保険証が届く場合は、ほとんどの医療機関は、自己負担分との差額の払戻の対応を行ってくれます。保険証発行後、医療機関発行の「領収書」と「診療報酬明細書」の原本を持参し、保険証を提示すれば、払戻に対応してもらえます。
 

(2) 療養費の支給申請により協会けんぽ等に請求

上記(1)医療機関での払戻ができなかった場合は、協会けんぽ等に直接申請すれば、差額が返金されます。
例えば、新しい保険証の到着が、診療を受けた「翌月」になる場合などです。

 
なお、仮に病院受診時、失効した「国民健康保険証」などを利用してしまった場合は、後日、市役所等から10割との差額部分の返還請求書が送付されます(差額は一旦市役所等が立替払)。この場合は、一旦市役所等に対しては、差額を支払いの上、後日、協会けんぽ(会社の健康保険)に、「療養費の支給申請」として請求します。

 

3.健康保険被保険者資格証明書

上記の原則的な取扱いでは、ご自身の立替負担が高額になる可能性もありますし、立替金返還の事務手続も手間が生じます。
そこで、例外的に、健康保険証が届くまでの間は、健康保険証「現物」の、代わりになる書類があります。

(1) 健康保険被保険者資格証明書

年金事務所で発行される「健康保険被保険者資格証明書」という書類です。
保険証が手元に届くまでの期間に、被保険者が健康保険に加入していることを証明する書類です。

この書類を取得しておけば、自己負担なく、保険証と同様の取り扱いがされます。
 

(2) 手続・必要書類

会社の所在地を管轄する「年金事務所」に、以下の書類を提出します。
提出すれば、即日発行してくれますので、意外と便利です。本人だけでなく、奥様やお子様分なども、一緒に申請することができます。
 

  • 健康保険被保険者資格証明書交付申請書(ネットでダウンロード可能)
  • 被保険者又は被保険者の「被保険者資格取得届」「被扶養者(異動)届」
  • 本人確認書類(運転免許所、マイナンバーカードなど)交付

 
(健康保険被保険者資格証明書交付申請書)

 

(3) 会社がやってくれるのか?

上記の申請は、会社の義務ではありませんが、ご自身(被保険者)の他、事業主も申請は可能です。したがって、「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」を事業主(会社)に記載してもらうほか、磯飛の場合などは、ご自身で記入して年金事務所に持参することも可能です。
 
(ご自身で記載する場合の注意事項)

  • 「事業所整理記号」と「事業所番号」は、会社から情報をもらう。
  • 「被保険者」はあなたご自身、「被扶養者」は、奥様やお子様の名前を記載します。
  • 資格取得年月日は、「就職した日(入社日)」となります。
  • 事業主氏名の箇所は、ご自身のお名前を記載し、ご自身の押印でOK。

 

(4) 注意事項

  • 郵送での申請も可能ですが、発行まで時間がかかるケースがあります。
  • 被保険者以外の方が申請する場合は、委任状が必要です。
  • 入社時や年末年始は、即日発行ができないケースもあるようです。

 

4.国民健康保険証の場合は?

国民健康保険証への切り替えの場合は、市役所等に行けば当日発行してもらえます。したがって、国民健康保険証が手元にないケースは、法人の社会保険ほど、ケースは多くはないかと思います
(自治体によっては1週間程度かかるケースもあり)。

 
ただし、国民健康保険の場合は、「切替時期」に注意が必要です。
会社を退職した場合などで、国民健康保険へ加入の届出をしないまま医療機関を受診した場合は、全額が自己負担となります。後日届け出を行っても、遡って医療費の還付を受けることはできません
また、「高額療養費制度」や、「出産一時育児金」ももらえません
一方で、健康保険料の支払については、加入資格が生じた日(社会保険の加入資格喪失日=退職日の翌日)から支払義務が発生します。

したがって、退職後は、国民健康保険への切替を早急にする必要がある点、十分ご留意ください。

 

5.参照URL

(従業員に健康保険被保険者資格証明書を交付するときの手続き)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/hihokensha2/20131113.html

 

6.YouTube

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